
神獣 / 霊獣 / 怪獣
土屋仁応
生き物の姿に想念を託した、象徴的な彫刻家・土屋仁応の個展を開催。瑞獣の新作「白澤」と札幌芸術の森美術館にて披露された「麒麟」をメインに、時代の混沌を色濃く反映させた架空の生き物の木彫7点を展示します。
この度メグミオギタギャラリーでは、土屋仁応個展「神獣 / 霊獣 / 怪獣」を開催いたします。土屋は1977年神奈川県に生まれ、東京藝術大学で彫刻を専攻、2007年同大学大学院にて保存修復彫刻の博士課程を修了しました。土屋は、大学院にて古い彫刻に数多く触れた経験を基に、伝統的な技法と革新的な表現を用いて挑戦を続けてきました。これまでに台湾・香港・オランダ・ドイツで個展を開催、また2025年には富山県美術館にて個展「土屋仁応ー静けさの向こうに」が開催されるなど、国内外でますます人気と評価が高まっています。土屋は、生き物の姿に想念を託した、象徴的な彫刻で知られています。木彫の表面にのぞく内側の淡い色が命の温もりを感じさせる彩色方法や、頭の内側から玉眼を入れる、仏像と同様の制作方法を用いて、神秘的な作品を生み出します。水晶などの石の目は静謐さを、ガラス作家・田中福男の制作によるガラスの目は、八方にらみのような緊張感を作品に与えています。
土屋は、神話や宗教、育てている動物や花などを発想の起源としつつも、そこから感じ取った気配や兆し、雰囲気といった霊性を作品に落とし込んでいます。普遍性と独自性が調和したその作品は、「最新の古典」とも称されています。また、仏像を想起させる抽象的な造形には、賢さ、強さ、慈悲深さなど、作品の見立てをより印象付ける効果が見られます。土屋が彫り出した生き物たちは、品種改良された動植物をヒントに突然変異や交配を繰り返し、自らの意志を持つかのように様々な姿へ展開していきます。異界と現世を軽やかに行き来する、幽玄な美を宿した土屋の作品は、私たちの集合的無意識に広く訴え、対話を促す媒体となっています。
本展では、瑞獣の新作「白澤」と本年札幌芸術の森美術館(北海道)にて披露された「麒麟」をメインに、時代の混沌を色濃く反映させた架空の生き物の木彫7点を展示します。土屋は人間に忠言を与える神獣「白澤」について、その姿が「AIに対して抱く、人の言葉を話すが人ではないものという違和感」と重なり、制作に至ったと話しています。現在のスペースでは初開催
となる個展をご堪能ください。
なお、弊廊にて田中福男個展「朽ちて咲く」も同時開催いたします。併せてご高覧ください。
アーティストステートメント:
自分自身の変化なのか、世の中の変化なのか、理解しがたく感じることが日々増えています。
虚構と弱肉強食の時代に向かっているように感じています。
頭の中に、奇妙な生き物たちが現れます。
生命は環境の変化に合わせて姿形を変えて生き残ってきました。
ルールが見えにくい世界で、戸惑いながらも新しいあり方を模索する気持ちの反映として、幻の生き物たちが現れるのかもしれません。
—土屋仁応
2026年10月30日(金)–11月21日(土)
12:00–18:00
月曜 休廊(日曜・祝日も営業)
オープニングレセプション:10月30日(金) 18:00–20:00
*18:00より作家にインタビューを予定
メグミオギタギャラリー
〒104-0061 東京都中央区銀座8-14-9 デュープレックス銀座タワー8/14 B1
03-3248-3405
info@megumiogita.com

白澤
2026
72 x 64 x 23 cm
Painted camphor wood, borosilicate glass by Fukuo Tanaka
麒麟
2026
79 x 57 x 19 cm
Painted camphor wood, crystal


九尾の狐
2026
70 x 55 x 45 cm
Painted camphor wood, borosilicate glass by Fukuo Tanaka