土屋仁応 / Yoshimasa Tsuchiya
2016.11.18 (Fri.) - 12.24 (Sat.)
11:00 - 19:00( Closed on Sunday and Monday & Public Holiday)
Opening Reception 11.18(Fri.) 18:00 - 20:00
命の木 / Tree of Life
獅子 / Lion, 2016, H98 x 83 x 45cm, woodcarving, borosilicate glass, polychrome 撮影 : 竹之内祐幸
メグミオギタギャラリーでは、第5回目となる土屋仁応 個展「命の木」を開催致します。
土屋は東京藝術大学で彫刻を学び、2007年同大学大学院にて保存修復彫刻の博士課程を終了致しました。土屋は水晶やガラスの玉眼を使った伝統的な仏像彫刻の技法と、素材が木材であることに気付かないほどの独特な彩色を用い、さらに木彫の表面を極限までなめらかに仕上げることで、神秘的かつ生命感のある動物作品で知られる存在となりました。伝統と新しさを合わせ持つその作品は、香港や台湾での展示の他、ヨーロッパのアートフェア、ギャラリーでの個展やグループ展で高い評価を受けています。
土屋は上野の東京都美術館での開館90周年記念展「木々との対話」に参加し、あらためて「木」で制作することの原点を省みることになりました。様々な命をもらいながら生かされている人間の立場をもう一度見つめ直し製作しています。
「木彫をしていて、その木の息づく幹から、のみで削り取られるまで表に出ない内側の樹液や、脂や芳香を放ちながら、内部を艶やかな果肉のようにあらわにする様に、あらためて木が生きている素材であることを認識しました。」
木彫は、かつて生きていた木を刻んで自分の思いを形にします。人間は命を与えることはできませんが、木からその力を借りて新たな生命感を作り出すことができる、まさに木との共同作業であることを実感しました。」
今展では先のグループ展で発表した大作、今までにない強い意志を歯を食いしばって佇む大木より彫り起こした“獅子”、平和の時にしか現れない伝説の生き物“麒麟”、一本の木からその複雑な姿をあらわす再生の象徴“鳳凰”の三点に、獅子や麒麟にまつわる新作4点が加わります。新作ではあえて木目や、のみの痕跡を残すような木彫を施し、神秘性だけでなく力強さも感じさせるようになってきています。
新たな生命感を吹き込まれた木の妖精たちと向かい合うと、彼らが静かに私たちに語りかけてくるはずです。進化し続ける土屋仁応の新作個展にぜひご期待下さい。