Lonely ParkⅡ
この度メグミオギタギャラリーでは、Artsyにて廣江友和の個展 “Lonely park Ⅱ” をオンライン限定開催致します。1976年東京都生まれの廣江は、武蔵野美術大学油絵学科、パリ国立高等美術学校で絵画を学びました。パリへ留学し西洋の奥行きのある絵画に触れ、その一方で日本画やアニメを教科書やテレビから享受するなど、同時に日本、西洋の精神性を享受した彼は、日本の平面性と西洋の立体性の融合に絵画の新規性を見出してきました。
廣江は、ルーベンスと同じ絵画の古典技法「第二フランドル技法」で丹念に下地を作り、明るい灰色や黄土色の地塗りの上にモチーフを描きます。キャンプファイヤーを囲うぬいぐるみの動物、炎の輪を飛び越えるライオンなど、一見悲壮感のある場面の連続ですが、見方によってはただ配置されているだけの静物画としての一面も持っています。多数の文脈を秘めた作品には、緊張感溢れる赤で描かれた線や文様と、身近に溢れるおもちゃが立体的に描かれています。
作品はニスの代わりに工業製品であるビニールで覆うことで仕上げられ、写真のような均一なツヤを画面に与えて新たな表現を示唆しており、そこにマルセル•デュシャンから連綿と続くアートとレディメイドの関係性を読み取ることも出来ます。ビニールと白亜地との化学反応を利用した古色は、古さと新しさ、自然と化学の融合として、極めて現代的でユニークな表現と言えます。
今展において廣江は、洗練された造形、また恐さだけでなく美しさも伝えてきた「地獄草紙」(12世紀)の炎を用いて、現代の日本観を表現します。現代社会では様々なストレス、不安や恐怖が日常を覆っています。彼の作品は、そのような誰しもが持つネガティブな感情を軽やかに描き出し、鑑賞者に希望を与えることでしょう。異文化の共生こそ新たな可能性と信じる、廣江友和の個展にご期待下さい。
Dates
2023.2.9(木) - 3.8(水)
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