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Video: Yukihiro Sugimori

土屋仁応

動物と人

象徴的な動物彫刻で知られる土屋仁応が、人物像を交えてより社会性を感じさせる木彫の新作を発表。他者とのつながりが希薄になっている現代、私たちは土屋の作品を通して、「人間とは何か」という普遍的な問いかけに今一度向き合います。

 

この度メグミオギタギャラリーでは、土屋仁応個展「動物と人」を開催いたします。土屋は1977年に生まれ、東京藝術大学で彫刻を専攻、2007年同大学大学院にて保存修復彫刻の博士課程を修了しました。大学院では古い彫刻に数多く触れ、それらが時代ごとに極めて斬新な方法で制作されてきたことを学びます。この経験を基に、土屋は伝統的な技法と革新的な表現を用いて挑戦を続けてきました。2021年には熊野古道なかへち美術館(和歌山)にて個展が開催されるなど、国内外でますます人気と評価が高まっています。

土屋は表面の白から内側の淡い色彩が微かに現れる、独自の彩色方法を確立しています。また、頭を割って水晶やガラスなどの玉眼を入れる、仏像と同様の制作方法を用いて、神秘的な表情を持った作品を生み出します。ガラスの目はガラス作家の田中福男が担当し、本展では初めて目以外のガラス部分も制作しています。一見して土屋と分かるその作品は、時代に流されない独自性を持ち、今にも未来にも訴える力を持つ「最新の古典」と言えます。土屋は、形のない想念を生き物の姿を借りて具現化した、象徴的な動物像をモチーフに制作しています。神話や説話の中に現れる動物のイメージを発想の起源とし、その中から生まれた生き物たちは、品種改良された園芸植物や観賞魚をヒントに突然変異や交配を繰り返し、様々な姿へ展開していきます。

本展にて土屋は、人物像を交えてより社会性を感じさせる木彫の新作を発表します。私たちは土屋の作品を通して、「人間とは何か」という普遍的な問いかけに今一度向き合います。自己認識のために不可欠な他者とのつながりが希薄になるに連れ、人類は孤独を感じるようになりました。今日その解決策の1つとして、動物と触れ合い心を満たす方法がますます普及しています。土屋は古代から形作られ、継承されてきた動物と人間の像について、「人の部分が人間の自我や理性、動物の部分が人智の及ばないものを象徴し、それらの関係を表したもののように思います。さらにいえば、自然界と文明社会との調和を表しているようにも思います。」と述べています。広がり続ける土屋の表現にご期待ください。

 

なお、弊廊にて田中福男個展「その種として」も同時開催いたします。

Dates

2024年5月17日(金)-6月8日(土)

12:00 - 18:00

日曜・月曜 休廊

オープニングレセプション

5月17日(金) 18:00-20:00

*作家が在廊予定

メグミオギタギャラリー

〒104-0061 東京都中央区銀座2-16-12 B1

穿山甲

2024

32.5 x 57 x 14 cm

Painted camphor wood, labradorite (pangolin eyes), crystal (human eyes)

​人魚

2024

123 x 43 x 23 cm

Painted camphor wood, borosilicate glass (eyes and object in hand by Fukuo Tanaka), acrylic support

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