top of page

徂徠友香子 / Yukako Sorai
2018. 7.13(Fri.) - 7.28(Sat.)

11:00 - 19:00( Closed on Sunday and Monday & Public Holiday)

Opening Reception 7.13(Fri.) 17:30-19:30

Archē アルケ

DSC00010.jpg

"PETRA" 2017, H12.2 x 19.8 x 10cm, wool, silk

“Meteora” 2011, H18 x 13.5 x 12cm, wool, silk

“XY[iks ipsilon]” 2013, H11 x 10 x 11cm, wool

MEGUMI OGITA GALLERY 東京都中央区銀座2-16-12銀座大塚ビルB1

 この度メグミオギタギャラリーでは7月13日から7月28日まで徂徠友香子 個展「Archē アルケ」を開催します。

 徂徠友香子は1994年に武蔵野美術大学大学院を修了し、同年より日本毛織株式会社にてテキスタイルデザイナーとして、ウールを主とした服地向け織物・ブランケット・フェルト素材の企画開発を担当しました。
 2008年に独立した徂徠は、2003年Japan Creation Textile Contest グランプリ経済産業大臣賞、2012年Craft Boston Award of Excellence(USA)、2017年Philadelphia Museum of Art Craft Show Award in Fiber(USA)受賞、など数々の賞を授賞、個展を中心に国内外で積極的に作品を発表しています。

 徂徠は学生時代より「ウールの動物的な動きの面白さ」に魅了され、フェルトにより作品を制作してきました。
フェルトを何層も重ねて厚くした後、手作業でフェルトをえぐり取ったり、穴を開け断面の規則性やゆがみを生かしながら、奥に潜む色や形を顕在化させていきます。

 徂徠のつくり出す有機的な抽象立体作品は宇宙や植物、石、細胞などの生命体がモチーフとなっていますが、生命が持つとどまることなく変化し続ける様子そのものが作品に現れているようです。
 また徂徠は抽象作品のみならずポットや壺などの一般的な形態もモチーフとします。人々が共有するそれらのパブリックイメージは、フェルトやシルク繊維によりつくり出されることで、それらに対する認識がズレ動き、作品は特異な存在感を醸し出します。

 自身の表現と技法は切っても切れない関係性にあると徂徠は言います。技法により生み出される表情が徂徠のイメージと結びつき作品世界が広がることもあり、技法と表現したいことが互いに牽引し合い多様な表現を可能とします。
 徂徠の感性が生み出す抽象的な作品と、理性が生み出す具象的な作品。
表現と技法が密接に関わり合うからこそ実現される作品群、徂徠は二つの異なる世界観を実現できる稀少な作家といえるでしょう。

 今展では、生命体をモチーフとした抽象作品、ポットや壺などの具象作品の他、細胞が増殖するような無限性を感じさせる壁面を覆う大作を展示、徂徠の全世界をご堪能頂ける展示となります。
徂徠友香子 個展「Archē アルケ」に是非ご期待ください。



「ポットやツボの場合には、私や人が持っているであろう典型的な形をあえて利用しています。いわゆる典型的な形に、フェルトやシルク繊維の表情で表現することで、想像するのとは違う質感が一種のズレとなり、存在感を発揮するものとなるように思います。

 それに対し抽象的な形態は(これが大半を占めます)、目の前に見えている世界の写生ではなく、モチーフの出発点は宇宙や植物、石、細胞などですが、それらを見る角度や時間、光線の具合、運動などで発展変形していく世界が私の見たい世界なのだと思います。
その世界は技法的なものが生み出す表情がイメージと結びついて広がることもあります。そう考えると、技法は作品を作るにあたっては切っても切り離せない大事なものです。

 しかし、表現したいことを思い描かずに作ることはなく、まず頭の中でイメージします。そして絵を描くのに絵の具や筆を使うのと同じように、繊維を使って表現していると考えています。技法と表現したいことは、どちらも牽引し合いながらループになってきているように感じます。
表現したいことがあり、それをフェルトや繊維でしかできない作品へと結晶化していくという感覚です。」

bottom of page