
タイポ・アーキテクチャ
トラヴ
ロサンゼルスを拠点に活動する現代作家・トラヴの日本初個展を開催。ビンテージ看板やグラフィティの文字と建築物を融合させた絵画シリーズ「タイポ・アーキテクチャ」の大作1点を含む、新作約20点を展示いたします。
この度メグミオギタギャラリーでは、トラヴ個展「タイポ・アーキテクチャ」を開催いたします。トラヴはカリフォルニア州出身、ロサンゼルスを拠点に活動する現代作家であり、アーティスト集団マッド・ソサエティ・キングス(MSK)のメンバーとしても知られています。幼少期に訪れたロサンゼルスにて、社会規範からの逃避としてグラフィティに惹きつけられ、やがてストリートの活動から壁画へと移行、更に自身の物語を消費主義や集権的なデジタル変革を批判する作品に昇華させてきました。ストリートの文化と正統な美術界の両方を渡り歩いてきたトラヴは、生々しい個人的な歴史から、反抗・回復力・変容といったテーマを探求し、創造性に突き動かされた人生の中に見出した自由を表現しています。またこうした活動の傍ら、大規模な公共作品に携わることで社会に貢献しています。人や地域の結びつきを意識した、遊び心のあるトラヴの作風は、幅広いファンの獲得や分野を超えたコラボレーションにつながっています。
トラヴの「タイポ・アーキテクチャ」は、壁や電車などへの落書きを起源とするグラフィティの文字を、その支持体である建築物と融合させてキャンバスに落とし込む大胆な絵画シリーズであり、本物であることを重視する彼の哲学をそこに証明しています。文化的な黄金時代であった1950-60年代の看板にオマージュを捧げ、そこに独自のタイポグラフィをコラージュ、幾何学模様と調和するよう画面に配置して、アクリル絵具で描きます。移動する人々、解体・再建される建物、消去・上描きされるグラフィティ、移り行く大衆の興味、この絶え間ない変化は都市の宿命であり、正にトラヴの作品の本質と重なります。一方、三次元空間を捉えた巧みな画面構成や、ネオンサインから着想を得た差し色の使用など、独立した絵画としての魅力も備わっており、作家が培ってきた審美眼を鑑賞者に印象付けます。
トラヴの日本初個展となる本展では、大阪で制作したタイポ・アーキテクチャの大作1点を含む、新作約20点を展示いたします。
私の作品は、物理的な空間とデジタル世界との緊張関係について言及しています。私は長年にわたり、商業空間、看板、そしてコミュニティとアイデンティティの場として築かれた環境に着目してきました。インターネットが日常生活の中心となる以前の時代に育った私にとって、店舗や通りは社会的な指標として機能していました。そこでは文化がスクリーン上ではなく、公共の場で形成されていたのです。
こうした物理空間との初期の関わりと、デジタル生産による手仕事の衰退を目の当たりにした経験が、今も私の創作活動を形作っています。最近の日本滞在では、商業空間が持つ生き生きとした重層性に強く感銘を受けました。物理的な世界が姿を消すことで、私たちは何を失うのかを改めて実感させられる経験でした。
本展の作品は、実際の看板・タイポグラフィ・建築物の断片のデジタルコラージュによって構成されています。メグミが「タイポ・アーキテクチャ」と名付けたこれらの作品は、場所が行動や記憶、コミュニティをいかに形成するか、そしてなぜ物理的な文化の保存が今なお重要であるかを探求しています。
–トラヴ
Dates
2026年1月23日(金)–2月14日(土)
12:00-18:00
日曜・月曜・2月11日(水) 休廊
オープニングレセプション
1月23日(金) 18:00-20:00
メグミオギタギャラリー
〒104-0061 東京都中央区銀座8-14-9 デュープレックス銀座タワー8/14 B1
03-3248-3405
info@megumiogita.com

Chain of Command
2025
121.9 x 152.4 cm
Acrylic on canvas
Lost in Translation
2025
76.2 x 61 cm
Acrylic on canvas


Long Game
2025
50.8 x 40.6 cm
Acrylic on canvas
トラヴ、スタジオにて
