ライアン•スー / Ryan Su
2016. 1.15(Fri.) - 1.30(Sat.)
11:00 - 19:00(closed on Mon., Sun. & Public Holiday)
Reception 1.15(Fri.) 17:30 - 19:30
The honorable visitor
"Blowing in The Wind" 2015, 91 x 72cm, acrylic on canvas
"The sky of cassis" 2015, 162.1 x 130.3cm, acrylic on canvas
MEGUMI OGITA GALLERY 東京都中央区銀座2-16-12銀座大塚ビルB1
この度メグミオギタギャラリーでは台湾人アーティストRyan Su(ライアン・スー)による約1年ぶりとなる新作絵画展を開催致します。
ライアン・スー(b.1979, 台北)は国立台湾芸術大学を卒業後、Tunghai大学で修士課程を修了し、現在は台北の公共芸術施設Banqiao 435 Art Zoneを制作拠点として精力的に活動を続けています。メグミオギタギャラリーでは2015年のshowcaseでの個展が好評を博し、この度は銀座2丁目スペースにて新作展を開催します。
アジアの現代作家として、ライアン・スーはこれまで美の概念を占有してきた西洋絵画の価値観に一石を投じています。
神話や聖書の世界観と共に発展してきた西洋の油絵に対し、中国の伝統絵画は吉祥図に見られるように、自然やモノに意味を持たせながら発展してきました。ライアンは東洋的な伝統を重んじる感性とアニミズム的な自然観で、自身が描く対象ひとつひとつに意味を持たせながら構図を作り上げていきます。白と黒という根源的な色のみを使い描かれたモチーフは、水墨画と同じく破筆を用いて制作されています。
また、ライアンの描く動物達は思わず「可愛い」と口に漏らしてしまうような愛くるしい表情が特長的です。"かわいい / Kawaii“という言葉は日本的な価値観ですが今や世界共通語となりつつあります。歴史的、文化的に日本と特異な親密さを分かち合う豊かな多民族国家である台湾から生まれた可愛さは、西洋的美的感覚がイニシアティブを握っている過酷な絵画の世界で生き抜くためのアドバンテージでもあるのです。
光の集積のような幻想的な質量感と宇宙を彷彿とさせる抽象的なディテールが混在する画面には暗闇の内省の中にあってこそ気づかされる心の灯、あるいは朝と夜、生と死を繰り返す世界の摂理が表されています。
今展のタイトル”The honorable visitor”は、中国語で「光榮之訪者」、日本語で「誇り高き訪問者」といった意味を持ちます。
太古の昔より現在に至るまで人間は動物であれば、フクロウなら智慧、虎は権威、植物であれば花言葉といった特別な意味を持たせ続けてきました。人々は衣服などの布に幸運や願いのシンボルとしての動物や植物などを組み合わせ、自身の守護神として生活の一部に取り入れながら生をつないできたのです。”The honorable visitor”には、文化そのもの対するオマージュの意が込められています。観客は一枚の絵画の中に、東西の二項対立を超えた人間元来の祈りの表現と美の根源を垣間見ることができるでしょう。
今展では大小様々(0~100号)の新作絵画15点、15の幸運の訪問者を迎え、アジアの現代アートシーンに新たなセンセーションを巻き起こす空間を創り上げます。
ライアン・スーの”The honorable visitor”に是非ご期待ください。