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Photo: Yukihiro Sugimori

Zero

この度メグミオギタギャラリーは、PandA(ピーアンドエー)を新設いたしました。“P” は、“play” や “plan” を指し、動機から実現への道筋を考えることが全ての始まりになります。一方で “A” は、“action” や “answer” など、行動とその結果を表しています。PandAは、建築や料理などの趣味を持つゲストをお招きし、心の豊かさにつながるきっかけを積極的に発信、そこからアートとの関連性も探求していく、多彩な交流の場となることを目指しています。PandAは通常のギャラリーでの展示とは異なり、自然の中に建つ家に展示された作品をオンラインでご覧いただく、新たな試みとなります。今日の日本において、活用されていない土地や家は急増し、手入れが行き届かないことによる景観の悪化なども懸念されています。そこで弊廊は、古い山小屋を現代の居住空間に改装し、人々の暮らしに近いアートを提案する実験場として再生しました。自分の部屋に作品を飾る様子を想像しながら、気軽にお楽しみいただけるような企画を考えています。

実質的な始動に先駆け、PandAはミセスズッキー個展 “Zero” を開催いたします。ミセスズッキーはニューヨーク出身の現代美術家かつ壁画家で、キャラクター「ズッキー」の生みの親です。彼女はCWポスト大学でファインアートを修了し、その後世界中の展覧会やチャリティーイベントに参加、ニューヨーク・コミコンやデザイナー・コンなどのイベントで作品を発表したり、ファンとの交流も盛んに行っています。

作品には、日本の大衆文化の影響を感じさせる単純化されたキャラクターたちが、記念撮影のように並んで装飾的に描かれています。歯を見せて笑ったり、舌を出したり、ウィンクしたりといった彼らの様々な表情は、それぞれ異なる色で描かれ、色彩豊かな全体を構成しています。中心不在の西洋絵画に、漫画的な東洋のおおらかさを融合させた、親しみ易い世界観が人気です。

展示の時期は冬、自然豊かで落ち着いた外の景色と、ミセスズッキーの鮮やかな作品との対比は印象的で、普段眠っている私たちの感覚が呼び起こされるようです。一方、伸びやかな曲線で描かれた作品のキャラクターたちには、薪ストーブのような心地よい暖かみがあり、親和性の高さも感じさせます。“all-over painting”(全面を覆う絵画)と呼ばれる、20世紀中頃にアメリカで確立された中心不在の絵画は、かつて神や権力者を主役、その他を脇役として描いていた西洋美術の古典とは一線を画すものでした。ミセスズッキーはこの表現の系譜にあり、全てのキャラクターが同じ立場で存在する、調和をテーマとした彼女の作品は、現代社会の孤独に寄り添い、鑑賞者の共感を誘います。

Dates

2024年1月19日(金) - 2月10日(土)

PandA

オンライン限定開催

PandA設営

Facial Expression Glitter Edition #2

2023

30.5 x 30.5 cm

Acrylic, glitter, epoxy resin on wood panel

Skeletal Zukie #1 Army Green Edition

2022

91.4 x 91.4 cm

Acrylic on wood panel

Facial Expression Sherbet Edition #1

2023

30.5 x 30.5 cm

Acrylic on wood panel

Facial Expression Sherbet Edition #1_500.jpg
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