2016.11.18(金) - 12.24(土)
11:00 - 19:00 日・月・祝 休廊
Reception 11.18(Fri.) 18:00-20:00
手向け花 / Flower Offerings
MEGUMI OGITA GALLERY 東京都中央区銀座2-16-12銀座大塚ビルB1
この度メグミオギタギャラリーではプロジェクトルームにて、第二回目となるガラス作家 田中福男の新作ガラス展「手向け花」を開催致します。
ボロシリケイトガラスという透明度の高い耐熱性のガラスを使用して制作する田中は、ガラス工芸の専門学校で学んだ後、現在は「topnoch(トップノッチ)」というブランド名で作品を発表しています。
2015年1月にメグミオギタギャラリーにて開催した彫刻家 土屋仁応展では、作品の玉眼を担当し、瞳のなかに白眼・虹彩・瞳孔をつくり「見つめている」瞳を作り出しました。
最近では、東京都美術館 90周年記念展「木々との対話」に出展された、歯を食いしばり佇む、強い意志を見事に表現した土屋仁応の大作「獅子」の玉眼を制作しました。
高度な技術を要するボロシリケイトガラスの技法研究と制作を独自に続けた田中は、「インサイドアウト」と呼ばれる技法を用い、まるで魔法のように自由自在に可憐で繊細な作品を制作しています。制作の過程上の中に出てくる模様を発展させ、まるで花が咲いているようなイメージをガラスの中に立体的に浮かび上がらせます。また独特の色彩は、多彩な色ガラスと気化蒸着させた純金、純銀などの金属を複雑に重ねて作り出されるものです。今展ではペンダントトップやオブジェなどの新作約50点を展示する予定です。
今回のテーマである「手向ける」という言葉は、神様に供物を捧げる時、道行く人への餞け(はなむけ)の意味として使われます。
「ガラス作家を目指し、実家を離れてから18年が経ちました。この間、様々な方々と関わってきました。先に行く人や違う方向へ向かう人、変わってない人もいれば変わった人もいます。共通の時間軸の中で、個々に流れている時間軸はまた違うと思います。
その一方では、小さな蝶の羽ばたきが竜巻を起こすのかもしれないというバタフライ効果のように、世の中の事象は全て関連しているとも感じています。小さい頃砂場で砂一つ一つが宇宙にある星で、この砂を動かしたら地球がとんでもないことになってしまうかもしれないと思ったことがありました。作品を制作しているこの瞬間もまた、世界は動き様々な物事がうごめいています。
ガラス作家・田中福男を形作ってくれた全ての物事に対し、ここに花を手向け、私もまた1つ歩を進めたいと思います。」
ガラスと言う素材の特性を生かし、ガラスにしか成しえない現象を追い求め、今日まで制作し続けてきた田中の新作個展「手向け花」に是非ご期待ください。