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artKYOTO 2024

浅野弥衛

TILT

徂徠友香子

土屋仁応

田中福男

中村ケンゴ

浅野弥衛(1914-1996)は三重県鈴鹿市に生まれ、3度の応召で日本を離れた以外は、生涯その地を拠点としました。詩人の野田理一が青年期を共にしたことで、野田が所有していた作品や画集から西洋の前衛美術に興味を持ちました。一方で当時の芸術運動に対して、「驚きはなかった。能、カブキはシュールなものだし、日本に昔からあったんや」と感じた浅野は、独学で日本の文化風土から生まれた抽象表現を追求していくことになります。復員後の1945年に再び絵筆を取り、地元の信用金庫を辞したのを契機に、1959年より画業に専念します。晩年近くになると評価が高まり、国内外での作品展示の他、1987年から1990年にかけて愛知県立芸術大学客員教授を務めました。浅野の作品は、彼が1957年頃に生み出した「引っ掻き」と呼ばれる技法で知られています。白の綿密な地塗りが乾燥する前に釘やナイフで掻き傷をつけたり、面をこそげ取るドライポイント状の作業を施し、この傷をつや消しした黒で埋めて制作されます。モノクロームを自己の世界と自覚し、その焼きつくような条線の鋭さは、自然の摂理の美しさと厳しさを思わせます。

 

TILTはフランス、トゥールーズ出身のグラフィティアーティストです。1980年代にグラフィティムーブメントに出会い、1988年にスケートボードのランプに初めてタグを描きました。TILTは伝統的でフェティシズムなグラフィティを長期に渡って実践した後、ポップアート的な泡のスタイルと決別し、より脱構築的な方向性を好むようになりました。キャリアの初期には、グラフィティの持つ生々しさや美学は破壊的、反抗的、アナーキーと解釈され、社会に受け入れられないこともありましたが、現在はむしろ反美学的な作品によって、幅広い観客に認知されることに意欲を見せています。TILTの作品には、都市環境の無常、混沌、身振りの痕跡が力強い色彩と形で描かれ、そのグラフィティの遺産が、かつてのアンダーグラウンドな表現や記憶を呼び起こす機能を果たしています。TILTは大きな壁面にスプレーなどで描き、それを分割して個々の作品とすることで、大きなピースの一部である部分性を強調しています。まるで壁から直接切り取ってきたような、作品の臨場感やスケール感は多くのファンを魅了し、この点において、壁に描いてるイメージをそのままキャンバスに縮小、再生産する他のアーティストとは一線を画しています。

 

徂徠友香子は1994年に武蔵野美術大学大学院を修了し、同年より日本毛織株式会社にてテキスタイルデザイナーとして、ウールを主とした服地向け織物・毛布・タオルケット・フェルト素材の企画開発を担当しました。2008年に作家として独立すると、個展を中心に国内外で積極的に作品を発表、2024年には群馬県立館林美術館の企画展「シンフォニー・オブ・アート — イメージと素材の饗宴」にも出品しています。徂徠は学生時代より、ウールの動物的な動きの面白さに魅了され、フェルトを用いて作品を制作してきました。フェルトを何層も重ねて厚くした後、手作業で一部をえぐり取ったり、穴を開け断面の規則性や歪みを生かしながら、奥に潜む色や形を顕在化させていきます。徂徠のつくり出す有機的な抽象立体作品は、宇宙や植物、石、細胞などがモチーフとなっていますが、そこにはとどまることのない生命の変化が感じられます。また徂徠は、抽象作品のみならずポットや壺などの人工物もモチーフとします。フェルトやシルク繊維によりつくり出されることで、人々が共有する日用品の認識はずれ動き、作品は特異な存在感を醸し出しています。

Dates

2024年10月31日(木)-11月3日(日)

一般公開

10月31日(木) 10:00-16:00

11月2日(土) 10:00-16:00    

11月3日(日) 10:00-15:00

*10月30日(水)は、プレス・関係者向けのプレビューを実施。
*11月1日(金)は休業。
*最終入場は各日終了30分前。

渉成園
ブース: 閬風亭02
〒600-8190 京都府京都市下京区下珠数屋町通間之町東入東玉水町

info@megumiogita.com

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浅野弥衛

作品

1960

53 x 45.5 cm

Oil on canvas

TILT
BA13/008
2016
50 x 50 cm
Mixed media on drywall (framed)

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徂徠友香子

Aporia

2018

18 x 13 x 11.5 cm

Wool, silk

土屋仁応
子羊
2024
28 x 42 x 28 cm

Painted camphor wood, crystal

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田中福男

Oni-chan Cream

2024

4.6 x 3.75 x 3.75 cm

Borosilicate glass

中村ケンゴ

近代

2024

12 ×12 cm

Mineral pigment, pigment and acrylic on Japanese paper mounted on wood panel (framed)

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