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杉田陽平 / Yohei Sugita
2016. 3.11(Fri.) - 3.26(Sat.)

11:00 - 19:00(closed on Mon., Sun. & Public Holiday)
 

Reception 3.11(Fri.) 18:00 - 20:00


the intergalactic

yoheisugita.jpg

"the intergalactic" 2016, 91x116.7cm, oil on canvas

"flower and rain" 2016, 53 x 80cm, oil on canvas

MEGUMI OGITA GALLERY 東京都中央区銀座2-16-12銀座大塚ビルB1

この度メグミオギタギャラリーでは、約3年ぶり2回目となる杉田陽平新作個展「the intergalactic」を開催致します。
 杉田陽平は1983年三重県で生まれ、武蔵野美術大学造形学部油絵学科在学中よりシェル美術賞をはじめとする数々の美術賞を受賞してきました。2015年には中之条ビエンナーレへの出品、ミュージシャンHAIIRO DE ROSSIのCDジャケットを担当するなど精力的に活躍を広げています。

 杉田陽平の油彩作品は、印象派を思わせる古典的な油絵のスタイルをとりながらも、そのモチーフの多くはインターネットやファッション雑誌から引用されたものです。鮮やかで毒気のある色彩が醸し出す夢のような儚い一瞬の情景は、2次元の画面上に洪水の如く流れゆく情報の渦と重なります。すぐに消えてしまいそうな表層的なイメージは雑誌の広告の上やネット上では、限られた時間の中で人の心を捉えるかもしれませんが、その感心は永続的ではありません。しかし、そのようなイメージも絵画に変換されることで、何か本質的なものを表現しているように捉えられます。それは、油彩、西洋美術が権威の象徴として機能してきたこと、未だに機能していることが根底にあるのではないでしょうか。杉田の油絵は「油絵」という言葉が喚起する権威的なイメージを妄信し、思考停止することへの警告として機能したのです。
 画中にはファッション的な美の象徴として西洋人の女性のイメージが多く引用されています。権威や知識の前提をもとに発達してきた西洋絵画のスタイルで表層的なイメージを描き人に感動を与えることで、コンセプトありきの西洋美術を批判している杉田は、現代において絵画を描くことの意義を真に問い直そうとしているのかもしれません。

 今展では、絵画史におけるオーソドックスなモチーフである人物、風景、静物を描いた新作の他、中之条ビエンナーレ2015出展作品等約18点を展示予定です。
 タイトルのIntergalacticとはバスボムの固有名詞です。水の中に入れれば銀河のようにきらめき、数秒で文字通り泡となって消え去ってしまうバスボムは、非常に贅沢な消耗品であり、現代の消費主義の代名詞といえます。しかし、その刹那の美しさに手を伸ばさずにはいられないのもまた人間の本質なのではないでしょうか。消え去るとわかっているから美しいのに、同時にいつまでもそこに留まっていたいというアンビバレントな思いを同時に叶えてくれる杉田陽平の作品は、現代に生きる私たちにとっての絵画の同時代性を見事に体現しています。
 成長を続ける杉田陽平の新作個展にご期待下さい。

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