
ちょっとだけ違う世界
小泉悟
京都 蔦屋書店にて、小泉悟の個展を初開催。人やもののつながりによって時代精神を形作ってきた京都という土地と、未知の存在を取り込みながら進化し続ける現代美術家が出会うことで、そこに化学反応が生まれます。
この度小泉悟は、京都 蔦屋書店にて個展「ちょっとだけ違う世界」を開催いたします。現代美術家・小泉悟は、1983年宮城県に生まれ、2009年沖縄県立芸術大学大学院彫刻専修を修了しました。現在は沖縄県を拠点に活動し、アジアを中心に国際的な人気を集めています。小泉は、自然の中で獲得した特性によって生きる様々なものと、社会の中の人間の姿を調和させ、1つの命を生み出します。2022年より約2年間、ディズニー公式コラボレーションのアジア巡回個展を通して、ディズニーキャラクターと人物を融合させた作品を発表しました。また2023年には、台湾のAKIギャラリーにて個展「100年後の自画像」を開催、自然界に加え想像上の生き物の作品を制作し、「だれかの自画像」シリーズとして発表しました。そして京都 蔦屋書店では、このシリーズの新作彫刻と絵画を日本で初めて展示します。
小泉は、社会の中で不安や孤独を抱えた人間たちが野生や未知の生物を身にまとい、別の何者かに成り代わることで力を得ようとする行為を、古代から形を変えて続く人間の根源的な欲求と捉えて具現化しています。作品の子どもたちは感情を表出することがなく、誰もが愛着を抱くような顔で画一的に表現されているのに対し、彼らを包み込んでいるのは、どんな環境にも適応する個性豊かな生物や無生物たちです。それは職場や家庭、ソーシャルメディアで次々に役割を変えて振る舞う、現代人の生存戦略のようにも感じられます。
千年の都・京都にもたらされた美術品の数々は、日本における宗教や美術様式の確立から、大衆文化に至るまで幅広く寄与しており、東京奠都(てんと)後も私たちの生活に息づいています。また各時代を代表する文化財は、人々の交流の場としての役割も担ってきました。人やもののつながりによって時代精神を形作ってきた京都という土地と、未知の存在を取り込みながら進化し続ける美術家・小泉悟が出会うことで生まれる化学反応にご期待ください。
あの時、別の選択をしたら世界が枝分かれして別の自分がいるのだろうか。
仕事は何をしてるのか。どんな食べ物が好きだろう。
今の自分でも悪くはないけど、別の選択をした自分を想像するのも面白い。
でもきっと必要に合わせて見えない何かを着て生きていくのは、この世界とは変わらないのかもしれない。
—小泉悟
Dates
2025年9月20日(土)-10月14日(火)
11:00-20:00(最終日は18:00閉場)
京都 蔦屋書店
〒600-8002 京都府京都市下京区四条通寺町東入二丁目御旅町35 京都髙島屋S.C.6Fギャラリー
作品に関するお問い合わせ:kyoto.gallery@ttclifestyle.co.jp

だれかの自画像
2024
116.7 x 91 cm
Acrylic on canvas
だれかの自画像
2024
116.7 x 91 cm
Acrylic on canvas


だれかの自画像
2024
30 x 18 x 18.5 cm
Camphor wood, acrylic, resin