Paola Masi 2106, Φ13×7cm, porcelan
秋永邦洋 / Kunihiro Akinaga
キール・ハーン / Kjell Hahn
パオラ・マシ / Paola Masi
2016.7.8 (Fri.) - 7.23 (Sat.)
11:00 - 19:00( Closed on Sunday and Monday & Public Holiday)
Bowls
Kunihiro Akinaga 2012, Φ13.2×9cm, ceramics
Kjell Hahn 2016, ceramics
※銀座2丁目メグミオギタギャラリー内、プロジェクトルームでの開催です。
MEGUMI OGITA GALLERY 東京都中央区銀座2-16-12銀座大塚ビルB1
この度メグミオギタギャラリーではプロジェクトルームにて、作陶を技法に創作する日本人彫刻家の秋永邦洋、日本を活動の拠点に置くアメリカ人作家キール・ハーン、イタリア人女性陶芸家パオラ・マシの3人の作家の器展"Bowls"を開催します。
秋永邦洋(b.1978. 2001年大阪芸術大学芸術学部工芸学科陶芸コース卒)は、陶を素材に動物の骨格イメージを用い、生と死をテーマにした彫刻を制作し続けています。彫刻の制作活動に専念していた秋永は2012年に1回限りで器を制作する機会を得ました。緻密な設計準備を基に作られる彫刻に対して、その場の感覚的な動きによって形成される器作りを経験したことは、対照的に自身の彫刻作品における時間や物質概念を捉え直す好機となったといいます。2015年に「マイヤーx信楽大賞」で金賞を受賞する等、世界への発進力を高め続ける秋永の作家史の中で、彼の作家性を逆説的に明らかにするきっかけとなった器は後にも先にもない貴重な位置づけの作品です。
今展は2012年に制作された茶器を8点出品します。
アメリカ人アーティストのキール・ハーン(b 1978 . 2001年ミズーリ州トルーマン大学美術学士修了)は、2006年より日本に滞在し、陶芸家ジョン・ディックス氏のもとで陶芸修行を経験しました。2007年には鯉江良二氏のもとで和紙作品の展示会のためのインスタレーションの制作アシスタントを務めています。現在は群馬県藤岡市鬼石でアートレジデンス・シロオニスタジオを主催しながら自身も同スタジオを拠点に制作活動に励んでいます。ペインターとしてのキャリアを併せもつハーンは、指を使い絶え間なく線を描くように形成してゆく器作りのプロセスは平面での表現にも生きているといいます。躍動感あるドローイングの線やペインティングを思わせる大胆な釉使いが器の特長としても表れています。
今展は最新作の器を中心に約10点の作品を出品します。
イタリア人女性陶芸家のパオラ・マシ(b.1973)は、イギリスを皮切りにヨーロッパ各国で修行を積んだ後、現在はスペインを拠点に世界に活躍を広げています。宋陶磁や朝鮮半島、日本の影響を受けながらも、洗練された伝統美を重んじるヨーロッパ人の感性が光る上品な色合いと、薄焼きのシンプル且つモダンな造形がその特長です。
今展では、4月に開催したshowcaseでの個展では未公開の新作を含めた約20点を出品します。
様式美を重んじながら発達してきた器は基本形が決まっている分、技術力はもとより、アーティストはどのように自身のテーマを表現するかを強く問われます。また、焼成のため一度自身の手を離れた後、更に他者の手に渡り使用されることによって生き続ける器作品は、最も身近なインタラクティブ・アートといえるでしょう。
全て手捻り技法で成形する彫刻表現を極める秋永、ペインティングと陶芸制作を相互に循環させ独自のスタイルを生み出すハーン、音楽や詩を謳うように土から自然の普遍美を器に昇華するマシ ― 同世代ながら全く異なるを出自を持ち国際的に活躍する3人のアーティストが器を通じて見立てた美の形に是非ご期待下さい。